斜位

斜位(heterohoria)について

■斜位とは

斜位は、両眼の視線が正しく目標に向かっているが、融像がやぶられると片眼の視方向がずれるもので、眼位の異常はあるものの両眼視はどうにか保たれている状態です。つまり意識無意識にかかわらず正常な人よりがんばって注視している事になります。斜位の程度とそれを克服する輻輳力の関係で眼精疲労や立体視不良や深視力不良が起こります。

■「斜位」の定義

斜位は、融像が不可能な状態で左右の注視線が固視点からずれる眼位状態と定義されています。斜位眼では、両眼網膜像に微妙なずれがありそれを修整しようと多くの融像力(感覚性融像、運動性融像)を使うことになります。そのため眼性疲労、頭痛、肩こり、集中力低下等が生じやすくなります。

■斜位と修整力(輻輳余力・開散余力)

斜位の有無やその量、斜位を修整する輻輳余力・開散余力(両眼の内寄せ、外寄せ、上下寄せ)などの検査をしなければ斜位からくる眼精疲労は見逃されてしまう可能性が高くなります。

  • 斜位の量が多く修整する力も沢山ある→→体調により眼精疲労が出るものの普段はあまり気にならない
  • 斜位の量が多く修整する力が少ない→→日常的に眼精疲労があり目薬、マッサージ等している方も多い(斜位を考慮したメガネで改善できます。)
  • 斜位の量が少なく修整する力が多い→→眼精疲労もなく日常も問題ない
  • 斜位の量が少なく修整する力が弱い→→眼精疲労が時々生じる、気づかないでいる方も多い(斜位を考慮したメガネで改善できます。)

■上下斜位

視線が上下にずれていることで生じる斜位の事を言います。

  • 右眼上斜位の場合は右眼で見た物が左眼で見た物より下に見えます。
  • 左眼上斜位の場合は逆に左眼で見た物が右眼で見た物より下に見えます。

※一般に下斜位とは言わないようです。

自宅でできる上下斜位の簡単な見つけ方(自覚的交互カバーテスト)

上下斜位(本質的な斜位)と光学的上下斜位(左右で度数の異なるメガネ等を使用たことで生じる斜位)を分けて考えないといけませんが、裸眼でズレが有るときは本質的な斜位、裸眼ではズレないがメガネ等を使用した場合にズレがあるときは光学的上下斜位といえます。

検査は部屋の壁に掛けてある目とほぼ同じ高さのカレンダー等に向き合います。距離は視力がゆるす程度の距離(部屋の中なら物理的制約もありますので3メートル位で行います。)

まづ、手のひらで右眼を隠して左眼でカレンダーを見ます
数秒後に今度は左眼を隠し右眼で見ます。
カレンダーの位置が上下にずれて見えるかどうかを調べます。一度では解りにくい時は今度は少し早めに左右眼を交互に繰り返し隠してみます。カレンダーの位置が上下にずれる時は上下斜位が疑われます。

また、左右にずれる場合は外斜位や内斜位も疑われます。輻輳力の関係や程度にもよりますが交叉性(使う眼と逆方向にずれて見える)はそれほど気にしなくともよろしいでしょうが、同側性の(使う眼と同方向にずれて見える)場合は注意が必要です。詳しくは両眼視機能検査に詳しい眼科・メガネ店にご相談下さい。

  • 正位 右眼で見たカレンダーも左眼で見たカレンダーもほぼ正面に見える
  • 交叉性 右眼で見たカレンダーが左側に見え左眼で見たカレンダーが右側に見える(外斜位)
  • 同側性 右眼で見たカレンダーが右側に見え左眼で見たカレンダーが左側に見える(内斜位)

光学的上下斜位 主に垂直方向の度数差のあるメガネ(不同視矯正メガネ)が視線と光軸がずれた時に生じますので、購入されたメガネ店に相談されフィッテング調整等などで対処してもらいましょう。

■外斜位とは

外斜位は両眼の視線が開いているため網膜中心に像が結像しにくく両眼視を維持するためには内転運動と融像性の輻輳を強いられます。経験的に斜位量が1△~4△基底内方くらいなら眼精疲労はあまりないと思います。但し、免許などで精密な立体感覚が必要な場合はプリズムでの対処が必要になる可能性があります。

■内斜位とは

内斜位は両眼の視線が内側に向いているため網膜中心に像が結像しにくく両眼視を維持するためには外転運動と融像性の開散を強いられる。経験的に斜位量が1△~2△基底外方でも眼精疲労を生じる方がおります。

■間歇性外斜視

間歇性外斜視は外斜視と外斜位が混在します。両眼の視線が開いているため網膜中心に像が結像でかない両眼視を維持するためには内転運動と融像性の輻輳を強いられます。内転運動と融像性の輻輳が両眼単一視が出来ないときは、外斜視になります。眼精疲労が生じる場合はプリズムでの対処が必要になります

■斜位近視 phoria myopia

比較的大きい外斜位がある場合、融像性輻輳で正位に持ち込もうとすると、輻輳性調節によって近視が顕在化することがある。

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